HOME>作品紹介>ハンナのかばん

ハンナのかばん

上演時間=1時間30分(休けいなし)

2000年、アウシュビッツから東京に届いた少女のかばん
Hanna Brady 625 WaisenKind(ハンナ・ブレイディ 625 孤児)
白いペンキで書かれた文字 ハンナって誰?どんな子だったの?
1つのかばんから広がる疑問・・・ 今世界中に広がる命のメッセージ

あらすじ

「2000年、アウシュビッツから東京のホロコースト教育資料センターに茶色い革のかばんが届いた。かばんの表面にはドイツ語で大きく『ハンナ・ブレイディ 625 1931年5月15日生まれ 孤児』と書かれていた。
春奈と純太の兄妹は、そのかばんを開けた途端、かばんの精・ドットに誘われて、1938年のチェコスロバキア、ノブ・メストに暮らすユダヤ人一家ブレイディ家へたどり着く。娘「ハンナ」息子「ジョージ」としてブレイディ家に迎えられた二人は、戸惑いながらも、「いざとなったら逃げたらいい」とそこで暮らすことにする。だが、時代の波は容赦なく二人に襲いかかる。ユダヤ人に対する禁止条例が日に日に強化され、遊ぶ場所がなくなり学校へも行けなくなり友だちも離れていく。家族で励ましあっていたが、やがて両親までゲシュタボに連行されてしまう。
そして、二人のもとにも呼び出しの手紙が届く……。

スタッフ

  • 原作:カレン・レビン
  • 翻訳:石岡史子(ポプラ社刊)
  • 脚本:宮越洋子
  • 演出:菊池准
  • 美術:増田寿子
  • 照明:福井邦夫
  • 衣裳:吉井千和
  • 音楽:上田亨
  • 効果:須川由樹
  • 協力:NPO法人ホロコースト教育資料センター
  • 舞台監督:小林敬子
  • 音響オペレーター:岡本信代
  • 制作:岡崎久美子

キャスト

  • 春奈・ハンナ:みやちともこ
  • 純太・ジョージ:松永和也
  • 悦子・ボシュカ・エラ:梶原くみ
  • 舞・マルタ:魚谷尚代
  • 史子先生・マルケータ・フリードル:田中けいこ
  • 幸太郎・ロット・エド:大森大介
  • 秀哉・ルドビック・デール:藺森誠
  • カレル・ナチス仕官:岡村宏懇
  • ドット・おじいさんのジョージ:恒川勝也
※2012年4月14日初演

舞台写真


【翻訳者より】

 「ハンナのかばん」が東京のホロコースト教育資料センターに届いてから12年が経ちます。
 このかばんを通して、一人の少女の「死」よりも「命」を伝えたい……そんな思いから私はハンナ探しを始めました。そして一つのかばんから 数々の不思議な、かけがえのない出会いが生まれました。劇団コーロの皆さんとの出会いにも今、期待の胸を膨らませています。ハンナの物語 がまた新しい形で伝えられ、私たち一人ひとりが命を尊ぶ心、思いやりの心を育んでいくことができますように。

NPO法人ホロコースト教育資料センター代表 石岡史子

【演出より】

「語り継ぐこと」

 父から東京大空襲の話を聞いたことがある。1945年3月9日、東京の上空に298機のB29爆撃機が襲来したのだ。当時、学生だった父は空襲の翌日、焼け野原になった街を同級生の安否を確かめるために歩き回ったという。父の経験した戦争は、色々な呼び方をされているが「第二次世界大戦」と呼ばれている。世界のほとんどの地域で、しかも文化や教養もある国々が戦火を交えたのだ。この戦争の中で日本も、様々な間違いをし、多くのものを失った。その経験からか「戦争は絶対してはいけない」と言っていた父も2006年に亡くなった。何の為に、父はその経験を僕に語ったのだろうか? それは僕の未来の為だったのだと思う。今、世界でその経験を語る人は、どんどん少なくなっている。そういった人たちの代わりに「ハンナのかばん」は語ってれているのだ。今、この「かばん」を持った僕たちは、未来の為に語り継いでいきたいと思う。

菊池 准